STORY
ストーリー
#01 私を殺した婚約者
公爵令嬢リーシェ・イルムガルド・ヴェルツナーには、20歳で命を落としては婚約破棄される瞬間にループしてしまうという秘密があった。「7回目を迎えた今度こそ長生きしてごろごろしたい! 」と決心するリーシェの前に、6回目の人生で自身を殺したガルクハイン国の皇太子アルノルト・ハインが現れる。
面倒事を避けるべくその場を離れたリーシェだったが、アルノルトの顔には不敵な笑みが浮かんでいて――。
#02 金色に染まる皇都
リーシェに婚姻を迫るアルノルト。6回目の人生で自身を殺した男からの求婚にリーシェは戸惑いを隠せない。「ただ、お前に惚れ込んだだけだ」と言い放つアルノルトに、リーシェが出した条件は……。約束を取り交わしたアルノルトはリーシェを引き連れガルクハイン国へ凱旋する。そこは過去の人生でも唯一訪れたことのない国。新たな生活に胸を躍らせるリーシェだったが、やはりアルノルトの思惑は読めず――。
#03 薄衣越しの剣舞(ロンド)
ガルクハイン国でリーシェの新たな生活が始まった。住居となる離宮の掃除に勤しむリーシェだったが、婚約者を披露するための夜会へ出席することに。アルノルトとのダンスが始まり、前世の記憶を回想しながら華麗に踊りきったリーシェは、貴族から喝采を浴びる。しかしダンスの最中、アルノルトにある違和感を覚えたリーシェは、そのことについて問いただし……。
#04 曲者(スパイス)は隠し味に
リーシェとの商談に現れたアリア商会のケイン・タリー。商人としての人生で商売のいろはを教えてくれた師匠だった。彼に婚姻の儀に使う品々を揃えてもらうはずが、「あなたにお売りできるものは、何一つありません」と言われ、商談が流れてしまう。過去の人生で商会の販路は戦争を回避する上で強力な武器となる。タリーを再び商談の場に引き戻すため、リーシェは一計を案じることに。
#05 もうひとつの商い
アルノルトの名を騙り、礼拝堂にリーシェを呼び出したのは第二皇子・テオドールだった。「君もいずれ殺される」と忠告するテオドールに対し、リーシェはすべてを承知の上で嫁いだと覚悟を語り、さらにそこへアルノルト本人が現れる。テオドールに冷酷な態度を取る彼の真意がわからずリーシェは問いを重ねるが、アルノルトが思わぬ行動にでて――。
#06 世界にたったひとりの
リーシェを監禁したテオドールは、アルノルトと交渉の席に臨む。次期皇帝の座を求め「義姉上を返してほしければ皇位継承権を放棄して」と詰め寄るテオドール。会話が平行線をたどる兄弟の元へ、監禁したはずのリーシェが現れる。「決着をつけに参りました」と迫るリーシェは、テオドールの思惑を問いただす。さらにテオドールに冷たく当たるアルノルトの態度を諭すのだが……。
#07 鼓動刻む子守唄
騒動も落ち着きを見せ、リーシェは離宮でアルノルトとともに暮らしたいと申し出る。侍女達と準備をした離宮を見たアルノルトは、リーシェに「他人に矜持を与える才がある」との言葉をかける。さらにリーシェはかねてからの願いであったアルノルトとの剣の手合わせも提案し、近衛騎士が行う特別な訓練をついに体験することとなり……。
#08 海色の彼方
アルノルトからの突然の誘いで、彼とお忍びで城下町を訪れたリーシェ。辿り着いたのはある宝石店だった。アルノルトの目的は、婚姻の儀でリーシェがつける指輪を贈ること。この国では婚姻の儀に指輪は必要ないはずだが、アルノルトの言葉に納得し、指輪を選ぶことに。そしてリーシェは、とある国の王族が婚姻の儀より前倒しで訪れることをアルノルトから伝え聞き――。
#09 北からの来訪者
病に冒されているコヨル国の第一王子・カイルのため、離宮の畑で薬草を摘み取るリーシェ。どうやって飲ませるか思案していると、3回目の人生でリーシェが師事した天才学者のミシェルが現れる。畑を見たミシェルは、一目でその薬効を見抜き――。翌日の夜会でリーシェは、アルノルトとカイルが抜け出す姿を目撃。カイルは、軍事力のないコヨル国が他国と対等に渡り合うための同盟をアルノルトに提案するが……。
#10 香り煙草に火がともる
男装して騎士訓練に参加したリーシェだが、そこにアルノルトが現れ、内緒で訓練を受けていたことが発覚してしまう。条件付きで許可を得たリーシェは、アルノルトにコヨル国と同盟を結ばない理由を尋ねるも一蹴されてしまう。さらにリーシェは、アルノルトという存在により、天才学者ミシェルの『実験』に必要な要素が揃ってしまったことを知り……。
#11 雪花(せっか)の決意
コヨル国が滅ぶ未来を避けるため、そして火薬の力を示そうとするミシェルの野望を止めるためにリーシェが選んだ手段。それはカイル王子とささやかな同盟を結ぶことだった。準備を重ねた二人は、アルノルトとの交渉の機会を得る。コヨルの技術力の高さ、そして意思を賢明に訴えるリーシェとカイルだったが、会談中にテオドールからひとつの連絡が届き――。
#12 いちばん美しいもの
火薬を巡って対峙するリーシェとミシェル。火薬の力をアルノルトに与えることで世界の行く末を見たいミシェルに対し、リーシェはその行為を止めるため「毒薬だって誰かを幸せにできる」と訴える。これまでに得た人脈と、カイルとの同盟。そして過去の人生で得た経験の数々で作り上げたリーシェの仕掛けは、ミシェルを説得するに至るのか。そして、『それ』を見たアルノルトの行動は――。